ナツタビ2011(7)
1駅先の那珂湊で下車.ここには本社と機関区がある湊線の中枢です..駅を下りて歩いていますと写真ものが目に飛び込んできました。「なんなんじゃこりゃー!」と某刑事並みのリアクションを見せたかどうかはさておき.近寄ってみるとどうやら現代アートイベントの作品のようです.そのイベントの名前はMMM(みなとメディアミュージアム)成程,一日フリー乗車券はこの企画に合わせたものだったのですね.

ここまで来たらもう1つ見なければならないものがあって.こちらの茨城交通ケハ601です.日本で初めて車体にステンレスを用いた気動車として著名な車両です.1960年に登場,1992年まで活躍していました.廃車後既に20年近くとなりますが,状態は良好.

車内では「おさむシアター」と題した上映会が行われていました.短編アニメーションが6作品.勿論こちらもMMMの作品です.観賞を終えてからスタッフの方にお話を伺いました.聞けば,慶應義塾大学の学生が中心となってことを進めているとのこと.地域での理解や協力が徐々に徐々に広がって,今年で3回目とのこと.「知名度はまだまだ…」とスタッフの方は仰っていましたが,いずれ学生による地域づくりの成功例として取り上げられる日がくる筈です.

約1時間半の滞在の後,下り列車で阿字ヶ浦に向かいます.乗り込んだ01編成の窓硝子上部にはステンドグラス風の作品が.家々や芋畑の上,青い空を魚介類が漂っています.列車は横方向に動きますからいかにも泳いでいる風

終点阿字ヶ浦に到着.前回訪問した時に比べ,ホームがかさ上げされていたり,スロープが設置されていたり.廃車体は側線諸共姿を消すなど,色々と変化がみられました..しかしながら「これが21世紀の光景か」と筆者をいわしめた古い駅舎と淡い青空は健在.

阿字ヶ浦海水浴場にも足を延ばしました.先程の平磯と同様,こちらも閑古鳥が鳴いています.手持無沙汰にしていた売店のおばちゃんに話を聞けば「昨年までの賑わいが嘘のよう.これが来年,再来年と続いたら商売あがったり.」と.僅かな持ち金の中から干し芋を買って帰ることにしました.(この辺りの特産なのだそうです.道理で沿線が芋畑ばかりな訳だ.)


つづく→夏タビ2011(8)

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旅行記