ナツタビ2011(8)
阿字ヶ浦海水浴場を後にして磯崎へ向かいました.芋畑の中,線路を頼りにある程度の見当をつけながら歩いて行くとまもなく駅が.小さな待合室に1面1線のホームだけがある質素な駅です.このホームから見えるのも芋畑.阿字ヶ浦で折り返してきた上り列車に乗ります.
 
途中,東北・太平洋沖地震で最も被害が大きかった殿山-平磯間を通過.ご覧のように新しい築堤,新しい道床に新しいレールが敷かれていました.地震発生から全線復旧まで4ヶ月とちょっと.この底力といいましょうか,復活は,存続の危機を乗り越えてこそのものだと思います..

金上で下車.2010年に行き違い交換ができるように改造された真新しい駅.地元の方の手によるものでしょうか,線路に沿って丁寧な植栽がなされていました.これは各駅を周ってきて気付いたことですが,たとえ無人駅であってもゴミが落ちていない.鉄道が地域のシンボルとして大切にされている様子が伺えました.

ひたちなか海浜鉄道湊線,最後の訪問駅は中根です.駅前の風景は見渡す限り青い絨毯を敷き詰めたよう.最後の最後に取っておいて正解でした.さらに,列車を待っていますと先程の応援団の方が.聞けば,時間がある時にはこうして各駅を周って沿線美化に努めているそうです.

鉄道会社そのものの取り組みも勿論ですが,こうした地域の方の意識や協力があって成り立っていく,これからの鉄道のあり方としていわれるそんなことを,ここでは自然に肩肘張らず実践している,そんな印象を持ちました.

旅行記