ナツタビ2007! 大糸線篇 その1

「あること」が原因で青春18きっぷが1日分残る公算となった。
かの旅行があったりでモトは取れているが,どうももったいない。
そんなことで1年振りに大糸線に乗ってみることとした。
まずは123Мへの乗車,先のダイヤ改正で休日運休から全日運転に
格上げされた列車である。

日曜下り,4両ということもあって車内は空いていて録りには
もってこいの環境だったが冷房効かせ方も半端ではなかった。
穂高に到着。観光客らしい人はそれほど見あたらず,むしろ学生の
数の方が多い。駅周辺を散策しても,高校名の書かれたステッカーを
貼った自転車が見られた。
駅前にて仏閣型の駅舎を撮影。穂高神社を模したんだとか。
観光客と思ったらしく(ある意味そうか)貸し自転車屋の主人が
声をかけて来たが,「これからもっと北に行きますので」と断った。

尚,この穂高はスケッチブック漫談(?)で一世を風靡した鉄拳の
故郷である。
穂高からは325Мに乗車,一路南小谷を目指す。
北アルプスの山々は夏ということもあって殆どが雲隠れ,
当然ながら好きな常念岳も車窓には現れず,残念。
これが冬の朝だったりすると見られるのだろうが…そんな次期に
この大北地域を訪れることがあるのかと聞かれれば,答えようがない。

10:04,信濃大町に到着。
ここで一気に空くかと思えば,爺サンのグループが大挙して乗り込み,
ロングシートにずらりと並び談笑を開始。
軽装だったのでそんなに遠くへは行かないだろう,と思えば案の定,
白馬で下車するらしい。

写真は信濃大町の写真駅名表。このタイプの駅名表は県内各地に
広まっているらしいが,その地域の名物をあしらい,特色を良く出して
いると思う。
稲尾付近から仁科3湖が車窓に現れる。
暫く走ると海ノ口。
某アニメの聖地として,ファンやらヲタやらが訪れるそうだが
,それらしい姿は見当たらず。そのことについて始めは「エッ」と
一般人同様退いていた太田だが,こういうことも沿線の活性化,
この路線の活性化につながると思えば良いことと言える。

白馬大池を過ぎ頃から,姫川を左へやり右へやり,左へやりを繰り返し
線路が取り払われて一面一線になった千国を過ぎると姫川を
見せるためか,はたまた急カーブが連続するためか,ゆっくりゆっくり
走って終点南小谷へ。

―本日もJR東日本をご利用頂きましてありがとうございました。
この声の主は誰なのだろう。
1年振りの南小谷。姫川のへりに立つ雰囲気は失われていないが,
人の数はまばらで夏の観光シーズンの終わりを僅かばかり感じる。
そして,次のキハ52乗車,ロケに対する期待が膨らむ。

駅車内では「鱒の寿司」が売られていた。「鱒の寿司」と言えば
富山駅だが…信濃大町でも売っていた気がする。
まだ食べたことはないが,パッケージは太田好みのものである。

不安材料だったあずさ3号が到着。
「よっしゃ!客おらん!」と言ってしまいそうな空き具合,これで昨日経験
した,大糸RUSHを再現する構図はなくなり,即刻ロケ決定。
乗車口一番手前に陣取り,本命の到着を待っていると。
―♪まもなく2番線に列車が参ります…

タイフォンに近い汽笛を鳴らしてキハ52が入線。
ガリガリガリガリというディーゼルエンジン,開かない扉は…手動扱い。
ひたすら混んでいて,乗るのがやっとだった前回と比べいろいろと
見ることができ,発車前から満足している状態。
「文明が自然に駆逐されている!」
そんな,感覚を大いに揺さぶるような光景が車窓には連続。
冬にこそその力を発揮するスノーシェードだけども,
夏の檻の中を走っているよう。自然に軟禁されている,とも言えようか。

長い長いトンネルを抜けていざ小滝へ。
車窓は「核戦争後の地球」なんて別の分野のヲタ的な表現をしたくなる有様。
道路はシェルター(ぁ)ごと半分地下に埋もれ,山は大崩れ。
ほころびかけているコンクリートの塊もあって,方丈記の一節を思わせる。

ナツタビ2007! 大糸線篇 その2

いい日旅立ち