ナツタビ2009(7) |
立川に到着。 中央線下り5.6番線に向かうと,ひどくごった返している。列車に遅れが出ているらしい。「中央線に限っては特段珍しいことではないか…」と思った矢先、あのオレンジ色がホームに滑り込んできた。201系H7編成。今尚残る中央線の201系の1本である。当初は八王子に出て横浜線線諸々を潰す心算であったが,201系が来たとなれば青梅だろうが何処だろうが行かぬ手はない。 |
それほど混んでいなかったのでロケをする。昨年全検入りしたばかりというのに,若干のジェット音が聞こえる。チョッパ音が各車によって異なるのはご愛嬌。冷房は…夏だから仕方あるまい。モーター点検蓋ばかりに目が行って,車窓観察どころではなかった。結局立川-青梅-拝島と乗車。拝島まで来たのだから五日市線を潰してしまおうという気になる。 |
電車は最初青梅線の様な風景の中を走ったが,武蔵引田を過ぎると畑に囲まれるようになった。前方のロングシートには,ゲルマン系の人と東アジア系の人が横になって眠っている。寝姿からして熟睡の様子。もしかしたら寝たままで五日市線を何往復もしているのではないだろうか。 |
武蔵五日市に到着。最後の最後で高架駅になるとは予想外であった。 改札口や券売機は1階,ホームは2階という構造になっており,1階にはnewdaysが入っている。駅前には南に延びる道路と東西に延びる道路が通っていたが,交通量はそこそこ。 武蔵五日市で何とはなしに青梅線・五日市線のパンフレットを手に取り開いてみた。日帰り温泉の文字が目に入る。その施設の一つである「もえぎの湯」に行くことにしよう。最寄りが奥多摩なので、青梅線も潰せる。 |
拝島にて若干の時間ができたため駅周辺を見て歩く。先頃廃止となった日本一長い踏み切りは「通れなければ意味がない」とあっさり諦め,その代わりと言っては難だが北口から見えた踏切を訪ねた。この線路は在日米軍横田基地に通じており週に数回燃料輸送に使われるそうだ。歩き回っていると「CONTROLED
AREA」の立て札を発見。頭上を輸送機が爆音を立てて飛んでいった。 |
拝島から青梅行き電車に乗る。ついさっき見た風景が展開されるが、改めて見ようという意識がこの筆者には働かない。青梅に着くと201系H4編成が側線に留まっていた。まさかまさか。まさかを何度言っても足りない位だ。まさか同日中に現存する両編成を見ようとは。 「奇跡なんて偶然が重なって起こるんですよ」という誰かの言葉が大いに納得できる。 |
青梅から先は4両編成の電車が走る。車両はE233系だが、俄然ローカル線の色合いが濃くなる。扉も半自動扱いである。それでも各駅に簡易suicaが点,首都圏であることを実感させられる。「ここホントに東京!?」同じ車内の若者グループがそうやって騒ぎ立てるのも訳はない。青梅を出て益々山の緑が迫ってはくるし、眼下に奥多摩川を見下ろすようにはなる。地形が彼らや一般の人々の想像するであろう東京からかけ離れている。(実はそういう都心部も意外と高低差があるらしいが) |
奥多摩に到着。若い人がやけに多い。軽装であるから川遊びか何かに来たのだろう。見ていて何か感じるものがあった筆者だが本筋から外れる為、此処では伏せておく。 駅から10分ほど。ホラーにでも出てきそうな隧道の先に、奥多摩温泉もえぎの湯はあった。受付には柔和そうな感じの人とアンチャンのような感じの人が立っていて不釣り合いな感じ。しかし対応は良い。人間見掛けによらないとはこのことだ。ジャグジー付きの内風呂と露天風呂がある。 泉質はメタほう酸・ふっ素とある。匂いは余り、ない。スベスベヌメヌメとして慣れるのに時間がかかった。 風呂を上がってから、上階の休憩所で食事を取った。何処でもいつでもうどんの人間だから、冷やしかき揚げうどんを食べることにする。麺が四国に行った時に食べた讃岐うどんに似ていた。 |
奥多摩駅に戻る。 この駅は結構な曲線の上にあるので、いざ20m.級の電車が停まると電車とホームの間に恐ろしいばかりの空間が出来る。実際に筆者も落ちそうになった。切石も東武の浅草もメじゃない。 その為か、線路には検知装置が取り付けられていた。人が落ちると警報か何かが鳴るのだろう。…と思っていると物々しいブザが鳴り響いた。例の非常停止ボタンを押した時の音である。観察していると、スッ飛んで来た掃除のオバサンに子供達がたしなめられていた。「危ないでしょ!電車来てたらどうすんの!」あんな剣幕で怒られたらもうこんなことするまい。 |
ナツタビ2009(8) いい日旅立ち |