卒業旅行-2009年春、西へ(3)-
土佐山田より1両のディーゼルカーに乗って10分弱。土佐くろしお鉄道が乗り入れる後免に到着。
その語感の独特さを出すためか「ごめん駅(後免駅)とある。」
ひねくれている筆者は,駅舎のモダンさの方がずっと独特なものに感じられた。

土佐電鉄に乗らんと,「ごめん」駅前にあった住宅地図を見て,大体の当たりをつける。
こうだからいつも迷って危険な目に遭うのだが,この癖はどうも直りそうにない。

時間が止まったかのような商店街や住宅地を抜けると線路に出た。すぐそばに停留所があったが
折角なので始発の後免町まで行くとする。
危うく見落としそうになったのは,この停留所がローソン
の真後ろにあったため。
いや,ローソンと一体化していると行ってもいい。何とシンプルな始発駅であろうか。

さてここ,何処なのか,何処で降りたのか,記録を怠ったためまるで憶えていない。
パークアンドライド方式の駐車場があり利用率の高さに驚いた。車両こそ違うが,LRTの萌芽が
芽生えているといえる。(なーんて,偉そうに素人が言ってみました。

次の電車が来るまで暫し撮影。600形のトップナンバーがやって来る。都電6000形に似ている
印象を受けるが,成程ほぼ同時期,同メーカーの製造である。LRTも悪くはないが,いかにも路面
電車らしい,このスタイルが好きと言う人は筆者ばかりではあるまい。

製造から30年以上経っている600形だが,行先表示がLED化されている。
それでもって音はツリカケのグォーンなのだから,筆者のツボにハマること言うまでもない。

土佐電鐵のジャンクション,はりやま橋で下車し高知駅まで行く。
駅へと向かう前に振り向けば,ローソンの全面広告車の700形が走って行った。バス窓がイイ。

こちらがはりやま橋。とは言っても復元されたもの(らしい)。暑かったので説明文などは読まずに
さっさと渡る。全く事情を知らぬヨソモノには何故復元したのか分からぬ橋であった。

椰子の木だかフェニックスだかが両脇に植えられ,明るい色調の路面電車が走る高知駅前は,
どこか異国情緒溢れる空間であった。この,普段自分の住んでいる場所とは違った雰囲気を
感じ取ってこそ,ここまで遥々やって来た意味があると言えないか。

工事中の高知駅前。以前本で見た時はこんなお洒落な建物じゃなかったのにぃぃぃ,と喚いてみる。
この駅舎の愛称は「くじらドーム」というらしい。改札内に入ると程無くして「アンパンマンのマーチ」が
聞こえてきた。愛と勇気だけが友達…寂しい奴,なんてよく茶化されるが,友達なんて優秀な人と
付き合えれば数なんて少なくても構わないのでは。殊に愛と勇気なら。

卒業旅行-2009年春、ヂーゼルの島へ-(4)


いい日旅立ち