入試が終わった水曜日

「もう受けてしまった以上,どうしようもない」等と吹っ切れた思いのその足で強行した旅。
改めて長野新幹線の影響力の大きさを感じる旅となりました。
旅の始まりは北高崎駅。信濃にも越後にも行かない信越線とはまさにこの区間のこと。
この線区をはじめとする高崎周辺の路線はこの湘南色の115系が未だに活躍している。
車内はC編成の未更新と同様。そんなに込むまいとタカをくくっていたが、こちらの高校も期末試験
の時期らしく…松井田辺りから、あの独特な山々(妙義山系)が車窓に現れる。路線も山に
分け入っていく風で、車内も寂しくなる―何っつたって自分を含めて3人―

横川に到着。天気も相まって何ともまぁ、うら寂しい雰囲気。
補機のEFがブロァを谷間に轟かせ,長距離鈍行がその長身を横たえ,連結/解放作業の合間に
峠の釜飯を買って…往時を知らない人間にはそんな想像しかできないが,今目の前にある閑散とした
風景に比べ何倍も活気に満ち溢れていたに違いない。

そんな中、目についたのが碓氷峠鉄道文化むら。バスまで一時間あるし…とズカズカ進んで行く。
手持ち無沙汰"そうだった"係員から券を買い中へ。500円也。


この碓氷峠鉄道文化村は旧横川機関区の施設を利用している。鉄道博物館のヒストリーゾーン
なんてメじゃないぜ,とも言うべきか,実際に使われていた物がほぼそのままの姿で残っているのだ。
(とは言ってみたものの,現役時代を知っているのは関係者と一部の同業者だけだろう。)

写真は広く知られたEF62。電機についてはまるで知らない筆者がガキの頃から知っていた伝説の
車両。この54号機はラストナンバーで,試作車の1号機は屋外に展示されている。
EF63が横軽限定と云うことで設計された反面,こちらは横軽前後の区間の運用もできる為,直江津
辺りまで顔を出していたという。全て師匠の請け売り。

ED42。↑の一世代前に横軽越えをしていた電機機関車。レールの中央に敷かれたラックレール
と車両に取り付けられた歯車噛みあわせて勾配に対応する,アプト式を採用。その後の新線付け替え
粘着運転(車両の自重により勾配に対応する)の開始に伴い引退する。準鉄道記念物だが,車庫の
目立たない場所に置かれていた。むしろ後ろのモーターカーの方か撮り易いところにあるくらいである。

屋外へと出る。トップナンバー,試作車スキーの筆者垂涎の車両が2月の空の下ゴロゴロとしている。
写真は丸型ライトが特徴的なDD51 1。一度,量産機と同じ塗装にされた筈だが,何処かで塗り替え
られたのだろうか。前面の警戒色が良いアクセントとなっている。

入試が終わった水曜日


いい日旅立ち