ナツタビ2007! その10
海の中を走っている,そんな感覚。
終点新宮までは海沿いを一気に走った。ロングシートの長丁場はここで終わるが
本日の目的,紀勢本線完乗のゴールはまだ遠い。

15:59,新宮に到着。
ここからは非電化区間,気動車の登場となる。キハ40系列を期待していたが,
仏滅ということもあってか,日頃の行いが悪かったか,停まっていたのはキハ11
更に「ディーゼル音を堪能しよう」と発車を待っていると,通話を始める人も出る始末。
そして途中でキハ40,本命と交換。
踏んだり蹴ったりはまさにこのこと。
九鬼付近。山奥に大分入ってきた感じがあるものの,海の方も大分入りこんで
きていて,これが入り江と知る。

ギュロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ――というエンジン音は熊野市を出たところで
ようやくモノに出来た。
紀伊長島に到着。ここで15分の停車。特急の待避をするでもなく,ましてや乗り継ぎを
するでもなく,運転士が変わったから運用上のポイントが置かれている駅のようだ。
お目当てのキハ40が停車していたため3番線ホームへと急ぐ。

ドゥルルルルルルルルルルル―と気動車らしい音を立て,いい匂いを残して,
新宮へと去っていきました。
紀伊長島駅舎。何かと駅舎は撮るようにしている。
恐らく,青いアーチ状のものを無くしてしまえば,何の変哲もない駅となってしまうだろう。
紀伊長島から先は文字通りの山の中,海の車窓はとうに消え,彩るのは緑緑緑…。
架線も何もない辺りから非電化路線というものを強く感じる。
この全面展望の合間にも夫婦らしい二人が後ろに乗っていて,談笑していたり
(ボックスはがらがらだったのに,何故かロング部に座っていた)
彼女に見送られて高校生が乗ってきたり(物凄いドラマチックやな),何かしら変化を
続けながら,エンジン音が響く車内。
本日一番印象的と言える駅の風景。
ホーム長はかなりあるのに,ポツリと気動車が二両,そしてさほど大きくない駅舎が一つ
背景には夕暮れのダークな色調の山々,音らしい音と言えばアイドリング音,
「また来たい」とは思うが,そうは来られない山間の駅。
これが旅の感覚というものか。
旅人になっているところへワイドビュー南紀が到着。鐵が一気に目覚める。
気がつけば,ISO800,流さねばならぬ時間である。
多気へは1時間半足らずして到着。途中,畑ばかりのところだったか,
真っ暗な中を走るのは少々怖かった。
しかしながら,1両目,2両目にそれぞれ分かれて乗った若いグループの,妙にテンション
の高い会話に車内は華やいでいた。

多気に到着後,駅前のヤマザキストアで電池を購入,鉄道写真が店内に
多く貼ってあったのは,主人が好きだからか?その謎は解けていない。
ナツタビ2007! その11

いい日旅立ち