ナツタビ2007! その7

8/11(土)天気晴れ。
朝は5時過ぎ位に起き出して,ホテルからの強行突破を図ると,一路こちらまで。
白く,主のいなくなった看板ばかりが目立つこちらの建物。
昨日,通天閣から見下ろした建物の一つでありますが。

「阪堺電車のりば」目立たないところにそんな看板がかかるそこは,
阪堺電軌軌道の恵美須町。
当初計画にはなかったものの,ひと目見て乗りたくなり,昨晩ホテルの
インターネットで調べたのはこちらの時刻。
「始発に乗って浜へ行こう」などと思って乗る次第。

実を言うとこの時点で輝龍さんもうぃくしんさんもホテル。
この旅唯一の一人行という訳で。
流石に朝っ原からつき合わせるのは…。
駅構内へ。
始発駅にも関わらず駅員らしい姿を見かけないのは,昨日の
嵐電の感覚と一緒。先発と貼られた横に1の文字がほんのりと灯り,
それに従って誰一人としていないホームへと向かう。
やって来たのはモ604(やって来た〜表現が多いな,最近)
路面電車では久々となるカルダン駆動車への乗車。

発車までに乗って来たのは3人。
スポーツ新聞を広げるオッサン。新世界の盛場にいた人か?
特に印象のなかったオバハン,同上か?
後の人は出勤か,黒いスーツを着て鞄を持っている。

「路面電車の中で朝を迎える」
そんな,誌的な風景を見るがために乗った部分もある太田は,ふと振り向いて
見た,この光景にビビッと来た。

この感覚は4月の福鉄福武線,西武生付近に似ている。
やはり独り,知らない街に来たということも因果するのか。

電車は住吉へ。
上町線との平面交差をガタガタ云いながら進み,文字通りの停留場へ。
左に見えるのはかの住吉大社。時間があればこちらへの参拝も計画に
組み入れたかったが,ここは浜寺へ行きたいという思いの方が強かった。

こちらの住吉大社は外交・貿易、またあらゆる産業を守護する神である
底筒男命・中筒男命・表筒男命・息長足姫命が祀られており,
初詣には多くの人が参拝するとのこと。

大和川を渡って堺市内へ。
この大和川鉄橋も,阪堺電軌開業時から使われているものなのだそう。
一説には明治44年架橋とか。
船尾を出ると,緩い上り坂で南海電車を越える。
そうすると,松林が見えてきて,電車は緩いカーブで坂を下る。
まもなく終点,浜寺駅前である。
看板はささやかなもの,色調も抑え目の建物は,街の雰囲気に絶妙にマッチ
している。逆に街の雰囲気を作っている感じもあるのだけれど。
松林の方を見ると「〜プール」とあった。海は遠かった。

分かっていながらも,がっかりして松林と逆の方を見ると…。
その洋風の建物が,南海電鉄浜寺公園駅と気づくのにそう時間はかからず。
この浜寺公園駅,あの東京駅も手がけた辰野金吾博士の設計で,
1907年の建造,1998年に国登録有形文化財に指定されている。

洋館,洋風建築にもビビッと来る太田,数枚ほど撮影し心の中で思う
「階段のところの彼女達はこの駅舎の価値に気付いているのか?」
格好からしてこれからプールに行くらしい,敢えて詳しくは書かないが,
僅かながら興醒めしてしまった。
ナツタビ2007! その8

いい日旅立ち