首都圏の通票閉塞区間を見に行く-久留里線(2)
 
 
久留里行きに乗車。久留里まで行く。本来ならばここで1時間ほど待つ予定だったが,そのまま折り返し列車に乗ることにした。滞在時間5分。駅舎だけを撮って終了。駅訪問だとしても実に邪道なことだ。
ちらと見た駅前にあった日本通運の建物が非常に気になる,引っ掛かるので,またの機会に訪れるとしよう。

 
小櫃にて下車。C12が置いてあるのが見えたのでそこまで行ってみる。傍目に見れば割と状態は
良さそうだった(屋根が架かっている)しかし近付いてみるとこれが中々の凄まじい状態。
後尾灯は1カ所欠損。鈍い金色の部分は黄色で塗装されている(イメージの問題です。)
極めつけは、黄色のペンキでもってナンバーが車体に直に書かれていることである。
しかも,久留里線で使用されたことは唯の一度もないというオチ。同型機であることにはあるのだが。
まだ時間があったので商店に入ってみる。食品店兼雑貨屋兼薬局のような店。値段が割高だろうと思ったら
意外にもNEWDAYSと同じ位であった。パンを買ったら「(賞味期限が)今日までだから」と
10円値下げして貰えた。やはり駅周辺は探索してみるものだ。

 
上総亀山を目指す。久留里で殆んどの乗客は降りてしまい、車内は筆者を含め6人だけになってしまった。
その内1人は同業者。前面展望を録ろうとしてのに、遮光幕を下げられてしまったのには少々気の毒に思えた。
最後の一区間は、車体を擦るほどの笹が生い茂っている。短長2本のトンネルを抜け、カーブを2度ほど通り、
切り通しの中の緩い坂道を上ると終点上総亀山。菜の花が出迎える。

 
1時間の折り返し時間でまた周辺散策。亀山ダムを見に行くことにした。駅から歩いて10分の距離ではあるが、
寄り道したりで辿り着く迄に倍近くの時間をかけてしまったように思える。そこまでして行ったダムだが、
それ程感銘は受けなかった。ダム自体に疎いから仕方あるまい。
それよりか、途中にあった川俣大橋の放つ不穏な空気の方がずっと強い印象として残った。

 
木更津方の踏切付近から駅を望む。房総=菜の花というイメージを持つ筆者であるがこの風景はまさに
そんな筆者のイメージに合致している。中央の柱が無機質なコンクリート柱なんかじゃなく,木の柱というのも良い。

 
折り返し列車に乗車し,横田へ。交換による待ち合わせがあるというので車外に出てみると、
キハ30が走って来るのが見えた。折角来たのだから、といそいそと乗り込む。
久留里で折り返すことが可能であったが、先程と同様に車内が空いたので,もう一度上総亀山まで行くことにした。音を録るためとは言え、自分でも呆れかえるようなお話だ。


 
キハ30で見たかったのはその出っ張り具合である。まず側面。強度を上げる為の外吊り式の扉が、
扉の開閉の表示灯が出っ張っている。そして前面。この出っ張りがなければこんな個性的な車両には
ならなかっただろう。
夕闇の中出発。次の上総松丘に着く頃には陽はとっぷりと暮れてしまった。もどかしくはなって来るが、
それでも列車はゆっくりと進む。並行する道路を走る自動車には抜かれる。
木更津に着くまで客は4人増えたきりだった。


帰りは京葉線。蘇我に出る為に乗ったのは209系。外観ばかりではない、内装から音までまるっきり変わって
しまっている。最早209系であって209系ではないと言っても良い。
蘇我からは東京行き各駅停車。車両はE233系への置き換えが発表された205系である。
幕張本郷で下車し後続の快速に乗り換えた。こちらも205系。新浦安までは何ということもなかったが、
やはり、予想通り、案の定、舞浜から車内は混雑した。



今回の日帰り旅行は「近いうちに無くなりそうなもの」を追っかける旅行となってしまった感が否めない。
113系にキハ30系。リバイバル塗装=引退フラグとする風潮はほぼ合っていると感じるからだ。
ただ、裏を返せば、今回乗車を果たしたことで、引退が現実となっても慌てることはないと思う…ということで。


 
いい日旅立ち