夏のとある日,北陸へ
出だしは松本駅.
今回の旅行,同行者はいつものお二方,うぃくしん様,輝龍様,
いつもながら今回も振り回させて頂きます(ぉぃ

クロスシートを得るべく,入線したE127の扉の前へ整列,扉が開くのを
せかせかと待ち,開いた途端にクロスに飛び込むこの身のこなし.
広い広い窓ガラスをふと見上げれば取っ手が,まさか,空くんじゃ,
と手をかけますと「車掌さんに怒られるよ」と,見知らぬオバハン.
確かに,冷房効いてるし...

発車時点での乗車率は120%位,老若男女が入り混じった車内は,
観光ムード満点.
穂高を過ぎた辺りで山々が車窓に広がる.
北アルプス線との愛称がついているだけある.
クロスシート部分を取っておいて正解であった.
ただ,穂高辺りで随分と客は減っており,席にある程度余裕はできていた.
それでも,ここから先南小谷まではまだまだ長い気もしたが故,座りっ放し.
終始,ここは良い画が撮れそうだ,ここで一気に降りるんじゃ?なんていう
会話に没頭.
信濃大町に到着,停車時間10分ということで駅舎を撮影.
当然ながら本日は青春18きっぷ利用.

成程,くたびれた感じもあるが,なかなか味があっていい駅舎ではないか.
知っていながらも驚いたのは自動改札があったこと.
壁には写真パネルが,どうやら黒部第四ダム建設工事のものらしい,
この信濃大町は黒部への玄関なのだ.
私は,中島みゆきのファンを自称しているから,黒部にひどく反応するが
そこにあったパネルは,工事関係者の―黒部に怪我はないあるのは死のみだ―という
言葉を痛切に感じさせるものであった.
信濃木崎の辺りになって,線路は湖畔を走るかたちになった.
車内は,信濃大町で更に客が降りて更にローカルな雰囲気に.
某ドラマだかアニメだかに出てきた海ノ口の辺りには水鏡が.

スキー場が見えてきたら(リフトとゲレンデのぽっかり空いた空間だけだが)簗場,
この辺りから急に木が迫ってきて,白馬村に入った頃には森林鉄道の趣き,
杉なんだけど,手付かずなのが故,原生林化してしまったそれが手を伸ばせば届きそうな
程に迫ったのには流石に驚いた.輝龍さんはこの区間が好きと言っていたが,
大いに納得できる.
―次は終点,南小谷,南小谷です―

木崎湖は清流になってしまったのか?
木曽川の傍に家のある私でさえ驚く透明度にただ,ただ,唖然,
速度が落ちていたあれはサービスだったのか?そうだとしたら良い計らいだ.

その速度のまま,なだらかな坂を下ると列車は終点南小谷へ
―本日はJR東日本をご利用頂きありがとうございました―という某T社の自動放送では
流れない放送にどういう訳か反応.
南小谷は思ったより大きな駅であった.
ただし,先程の清流の崖っぷちに建っているから,駅舎自体は小さめ,
こぢんまりという形容詞がピッタリである.
ここで本日一つ目のスタンプを(信濃大町では押し損ねた...)
大糸線らしく塩の道の図柄.ここから更に塩の原産地を目指す訳で.
―♪間もなく2番線に列車が参ります―
何とか細い放送か,これはホームに溢れんばかりの人がいるせいか,
―ぇ,この人たち,全員乗るんだよな...目を疑わんばかりの人人人...,
何故,よりによって大糸線経由で北陸方面に抜けるんだ...と疑いたい太田.
それでも,キハ,キハ,キハ!という訳で,テンションが上がるも...
うぁ...騒がしい...録り鐵は絶望的...

乗客を満載してキハ52はドゥルルルルルルルルルルルルルルを響かせて発車.
大糸北線はまさに山の中を進むといった風,トンネルが連続し,それが終わったと思えば,
シェルター,続いて鉄橋といった感じに目まぐるしく路線が展開,
まさかこれ目当てか?なとど周りを見回すも何だか関係のない話ばっかり,
録り鐵人として,こういった他愛のない会話が一番苛立たせる.
おまけにそういった会話は大抵声が大きくなっていくから,ついつい睨みたくなる.
もしかしたら睨んでいた?

一番驚いたのは,トンネル内での叫び,ギュイイイイイイイイイィィィィン―ギュア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ン
アレは飛行機以上のもの「恐ろしい」との私の言葉に,うぃくしんさんも同感の意..

中土,北小谷,を過ぎれば越後の国へ.
越後の国に入ってからの最初の駅が,平岩.
温泉などがあるそうで,下車客があるものと思っていたらここから3人乗車.更に乗車率UP.
小滝では乗降客なし,根知でお情け程度に2名下車.
後乗り前降りだが,前に進めず後ろから降りる有様.
ギュイイイイイイイイイィィィィン―ギュア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ン,と叫び続けて,長い長い長いトンネルを
抜けると(白坂トンネル以上の長さだったな,アレは)急に視界が開けてきた.
頚城大野と,まさに新潟,といった感じの駅に着いた時には家がぽつりぽつりと.
姫川に着くと,もう,気動車としての実感が湧かなくなる風景(住宅街を気動車が走る線区は
他にもあるがね)
乗った時点で,既に「これは京浜東北線か?山手線か?埼京線か?」とトークを繰り広げていた
私ではありますが.

―間もなく終点,糸魚川―
こんな,ひどい車内環境を提供し続けたにも関わらず,―本日はJR西日本を―という
放送は聞こえず.(´A`)JR西日本の企業体質を疑った.
糸魚川にて.こんな車内だったのか.と.

余談として
「JR西日本め!」と思いつつ扉に向かう間際に「君たちマナーがいいねぇ」との声が
「え」と見ると丁度私達の前にいた婦人.確かに,我々はメールを打つこともなく,騒ぐこともなく
この1時間を過ごしていた訳だから好印象を与えたに違いない.
それこそ写真は沢山撮っていたものの...「鉄道マニア?」という言葉にもその証拠が
含まれていたような.
改めてキハ,キハ,キハ!

「うぁー,モエるよ,これは,モエるよ」(あの,どっちのモエですか?)
この越美北線色,ふたつ目,タイフォン,全て,全てがカアイー(マテ

それにしても,お二方は何処へ?
発車時刻が迫っているとも知らず,赤レンガ庫を撮影.
いつしか,これを取り壊すとか取り壊さないとかいう噂が立ったような気がしたが,
この分だと暫く安泰かと.
首都圏色のキハ52が昼間中,これで大糸北線のキハ52を全て「微妙」に撮ったことになる.
この3両の中でどれが一番良いかと問われると私は迷わず越美北線を選ぶ.
キハ120に追い出されたという境遇を思っての事かもしれない.

かなり有名な画なのだそうだが.
この「この車輛にはトイレがございません」といった感じの見せ方は面白い.
まぁ,トイレなどつけようものならば,あの混雑ぶりが更に,更に上がりかねないから
今のままでよいと思う.
大糸北線の場合,トイレに降りて...何てことも無理ではあるが.

そう言えば,車内にこれと同じ注意書きがあって
「万が一の場合は乗務員にお知らせ下さい」と書いてあったが,一体どんな手を打つのか.
携帯用でも使うのか?でも,それを一体何処で使えと.
富山への足はこちら,食パンこと419系.583の改造ということは,有名なこの車輛,
米原で見て以来非常に気にかかっていた訳だけども,今回,ようやく乗車が叶い.

興奮気味で撮っていますと,あり,何だか変だ.
やはりお二方がいない.とここで,車掌がベルを押そうとしているのに気がつき,
猛ダッシュ,文字通りの駆け込み乗車になる筈だったのに.
「発車時刻ではありますが,先行する特急列車が遅れております」
何もわざわざ走らなくったって...

これより,北陸路をたどって参ります.

「北陸路を富山へと上る」

いい日旅立ち